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Bugatti T35 by Sonia Delaunay 1924-1977-1991 |
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| ソニア・ドローネイによるブガッティ T35 グランプリ･ド･リヨンそのものの1/43モデルが、フランスのクラシックカー専門メーカー
“MCM”から発売されていますので、ぼくもそのキットを製作に用いています。 MCMのモデルでは、ドローネイのカラーリングをデカールで表現していますが、カラー配色とパターン形状が気に入らなかったので、全て調合色とマスキングによる塗装表現としました。シンプルなデザインなので、パターン形状のバランスを決めること以外はそれほど難しい作業ではありませんが、キットのパネルサイズ・バランスが実車とは微妙にずれているので、実車のパターン・バランスをそのまま引き写すことが出来ません。紙上のスケッチや、サイズ･バランスの異なるマスキングを何通りも試しながら、実物の模型と車のパターン･バランスに一番雰囲気が近いと思われるパターンを製作しましたが、「光」と「円」の画家と言われたソニア･ドローネイ独特のシンプルで繊細なデザインを、自分の目と感覚だけに頼って再現するこういう作業は、結構楽しいものがありました。 カラーもキット付属のデカールは完全な原色で、ソニア･ドローネイのカラー・センスとは異なります（と思う）。写真のカラー表現などというものも全く当てにならないものですが、（他に材料が無いので)最大限その雰囲気に沿って、ソニアの他の作品も参考にしながら（それも画像だけど)、43のこのサイズとパターンに合うと思われるカラーを調合してみました。ソニアの色彩は、カラフルで輝かしく自然の豊かさが感じられ、その配色も軽やかなリズムがあります。通常の配色とは異なり、｢模写｣のノリの結構楽しい作業で、自分では割りと満足の色ができましたが、ここで紹介している画像ももちろん、実物の模型とはかなり微妙に異なる発色となっています。 |
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ソニアのオリジナル・モデルをそのまま引き写したと思われる1/8の模型が、今でも(彼女に素材のモデルを提供した）フランスの『アール･コレクション･オート』の現行製品として入手可能です。その素晴らしいモデルの詳細な画像が同社のサイトに紹介されていますが(こちら）、ぼくのこのモデルは、ソニアのオリジナル･モデルを再びモデル化したものではなく、マルク･ニコロジによる実車のソニア･ドローネイ･ブガッティをモデル化したものです。まあ、違いはヘッドライトとスペア･タイヤが装着されていることぐらいのものなのですが。MCMのモデルは、ヘッドライトが入ってないので、模型の方をまた模型化したものなのでしょう。でもスペア･タイヤは付いていますねえ(アール･コレクションのモデルは、ソニア・ドローネイのオリジナル・モデルと同じくスペアタイヤが付いていない）。ヘッドライト・ケースは、SMTSのキットのものを流用しました。 ひとつ気になるのが、助手席側の黒いハーフ・カウルです。ソニアが製作したオリジナル・モデルにも、ニコロジの実車にも両方に付いていますし、ドライヴァー席前の黒いカウルと対になるデザインだと思うのですが、アール･コレクションのものにはありません。MCMのものは、アール･コレクションのものをそのままモデル化したみたいで、やはり付いていません。アール･コレクションにとっては自社モデルなので、考証の間違いはありえない筈だし、？？？ ぼくのモデルでは、ドライヴァー・カウル諸共 0.1mmのアルミ薄板で自作してあります。 |
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このモデルをSMTSのタイプ35と同時製作しながらつくづく思ったのが、原型製作者の感覚の相違。飛び抜けて美しくシンプルなフォルムで知られた実車ですが、ふたつのモデルの形が全然違うんですよね。ぼくは実車を見たことが無いので、写真で見たT35によって培われたぼくの感覚では、SMTSのほうがブガッティらしいし、スポーティでかっこいい。でも実車の図面だけと比べると、このMCMのモデルのほうが実車のラインに近いように見えるのです。このMCMのラインがかっこ悪いわけではありません。何というか、ノーブルでしゃれている。写真というのは、フォルムに歪みが出てきてしまうものですしねえ。SMTSは写真を元に製作し、MCMは実車の図面を元に製作したのでしょうか。タイプ35は、ヨーロッパではイヴェントなどでかなり目にする機会の多い車みたいですし、MCMがかなりブガッティに入れ込んでいるフランスのメーカーであるのも気にかかります（数十種のブガッティを製作している)。SMTSはイギリスのメーカーではありますが、イギリス人はフランス人以上にブガッティにハマッテいるので有名。実際に実車を見たらどういうフォルムに見えるのでしょうかねえ。 ただMCMのモデルでどうしても気になるのが、車高が低いこと。ちょっと、つぶれてます。視点を変えれば、地を這うような感じが強調されている、ということになるのですが、ちょっとし過ぎのような感じがします。しかし、この修正はぼくの手には余るので、手を加えてはおりません。 |
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| ○ ブガッティ T.35の工作日誌はこちら → Bugatti T.35 Making Diary | |
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