| ⇒ 次のページ | |
|
Alfa Romeo P3 Tipo B Monoposto |
|
 1932年モンツァ、イタリアG.P.での劇的なひとコマ。右隅でヌヴォラーリが、ドリンクをひっつかんでいます。P3のデヴュー・ウィン・レースでした。2位だったマセラティはラップ･レコード 181km/hを打ち立てる速さでしたが（P3の平均速度は168km/h）、チームの絶望的に遅いピットワークに泣かされました。 |
|
 |
|
| イタリアの天才設計家、ヴィットリオ・ヤーノの最高傑作というだけでなく、古今のレーシングカーの最大傑作とも言われるのが、この ティーポ B モノポスト、またの名をP3と呼ばれたグランプリ･レーサーです。1931年の競技規則改定で単座が許されたことにより、初めて本格的に開発されたシングル･シーターのレースカーでした。モノポストとは、シングル・シーターを意味する普通名詞ですが、“Monoposto”と大文字で記すと、このP3 を指すことになります。人やものを運んだり、場所を移動したりする機能から開放され、ただひたすら速く走るためだけに作られた最初の車、現代の全ての F1 の偉大な父祖にあたる車、それがこの “Monoposto” P3 です。 | |
 |
|
 |
|
| P3 は、同じくヤーノの設計したレーシングカー、P2 の成功を受け、8C2300のエンジンをベースに開発されました。合計 8台が生産されたこのマシーンは、1932年から1935年まで毎年、進化に進化を重ね、当初の2654cc. 215HP から、最終的には3822㏄. 330HPまで発展しました。驚くべきことに、現在もその全てが残されており、日本にも一台が御殿場のフェラーリ美術館に展示されています。 このモデルは、1932年6月5日、モンツァにおけるイタリア G.P. で、あの ヌヴォラーリ の操縦でデビュー・ウィンを飾った車です。5時間という長丁場を平均速度 168km/h で飾った P3は、この日から30年代の前半を通じ、破竹の快進撃を続けます。アルファロメオのボディカラーとして有名なこのブラッディ・レッドは、エンツォ・フェラーリの率いるアルファのレーシング･チーム、『スクーデリア・フェラーリ』 のチーム・カラーでした。 |
|
 |
|
| ⇒ 次のページ | |
 Galleryへもどる Entrance |
