| Maserati 250F Aintree BARC 200 1954 Winner driven by Stirling Moss Renaissance, 1/43, Resin by 田辺 進 (Romu Factory) 2/3 page |
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| デビューの年である1954年、アルゼンチンGPに続き、ベルギーGPもファンジオの駆る250Fが優勝します。しかし同年後半、メルセデスが伝説的人物アルフレート・ノイバウアー監督の指揮のもと、W196で15年ぶりにレーシング・シーンに復帰を果たしてファンジオも当初契約の通りメルセデスに移籍(マセラティとの契約は、メルセデスが復帰するまでに限った暫定的なものでした)、スターリング・モスも翌年からはメルセデス・チームに合流するなど、250Fの力を充分に発揮することの出来る優れたテクニックのドライバーが、次々とマセラティを離れていきます。パワーや速度では劣るけれど、｢走り｣では勝つことの出来る250Fは、いいところまでは行くのですが中々ゴールテープを切ることが出来ませんでした。 やがて1956年、ルマンでの悲劇により、メルセデスがレース・シーンからの撤退を決定すると、ファンジオはフェラーリを経て再びマセラティに帰ってくることになります。そして翌1957年、遂にファンジオはこの250Fにより、5度目のワールド･チャンピオンシップを獲得することになるのです。この記録は、それから45年後にミハエル・シューマッハが抜き去るまでは、｢不滅の記録｣と言われていました。 この年のチャンピオンシップを決定したニュルブルクリンクはドイツＧＰでのファンジオによるマセラティ250FとD50フェラーリ勢との戦いは、今でもF-1史上最高のレースとして名高いものです。 |
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| このモデルは、イギリスの伝説的なグランプリ･レーサーであるスターリング・モスが、1954年10月2日、イギリス、エイントレーでのマイナー･レースで優勝したときのものです。 当時24歳だったモスは、1954年からGPレースに参加を予定していたメルセデス･ベンツ・チームのドライバーになることを望み、彼のマネージャーであるケン･グレゴリーがドイツまでモスの売り込みに行きます。しかしそれまでの数年間、いい乗車に恵まれずほとんど注目を浴びることの無いレーサーだった彼を、チーム･マネージャーのアルフレッド・ノイバウアーは、｢マセラティでも買って結果を残してからの話｣とつれなく断わってしまいます。グレゴリーはその足でイタリアのモデナへ飛び、フェラーリかマセラティのいずれかと交渉をしようとしたのですが、事前のアポも無い状態であったと言います。結局彼はコインを投げてマセラティに決めましたが、交渉の結果、まずはプライベートで250Ｆを購入し実績を上げてから、ということになります。 |
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| 自らの腕と技量に見合う名馬を手に入れたモスはこのシーズン、愛車である250Fをブリティッシュ･グリーンに塗り、コックピット左サイドには幸運のお守りである蹄鉄を打ち付けて、プライベートで本領発揮の活躍を繰り広げます。ベルギーGPでは3位入賞を果たしてマセラティの目に留まり、以後ワークスの支援を受けることになります。このワークスによるモンツァでのイタリア･グランプリでは、モスの250FがファンジオのW196を抑えほぼ勝利を手中に収めたかに見えましたが、最後の最後に油圧系統の故障がもとでエンジンが息の根を止めてしまいます。しかし、彼の果敢なドライビングとそのテクニックは、一度はつれなく振ったノイバウアーを瞠目させ、遂に当初の希望通り、モスは翌年からメルセデスに移籍、レーシング･ドライバーとしての本格的な活躍が始まります。 | ||
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| 250Fは、後期型になると車高も低まってノーズも伸び、かなりスマートな印象になりますが、モスの購入した初期型(c/n
2508)は、後のものに比べるとボディの断面積がかなり大きく、ずんぐりむっくりの感じがします。しかしこのように画像に捉えて改めて見ると、結構かっこいい。どの角度から撮っても絵になります。ファンジオの乗ったマセラティ･ワークスの250Fは、イタリアのナショナル･カラーであるイタリアン･レッドですが、モスのプライベート･カーは、当然英国のナショナル･カラーであるブリティッシュ･グリーンに塗られて、ノーズの識別色であるイエローがこれによく映えます。 このモデルは大阪ロム･ファクトリーの専属モデラーである田辺進氏の作品です。繊細でありながらも衒いが無く、スマートな氏の作風がぼくは大好きなのですが、この年代のものは氏も初めてとのこと。気合の入った仕上がりで、コレクションの中でもお気に入りの一品です。 |
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